端午の節句といえば五月人形。近年のトレンドは、コンパクトなタイプだ。都心部を中心に住宅価格が上がり続けるなか、スペースに余裕がないマンションなどでも、飾りやすく、収納しやすいものを求める人が増えているという。
店長「10年でこんなに変わるのかと」
東京の人形の街、浅草橋に店舗を構える人形の製造・販売「原孝洲(はらこうしゅう)」。1911(明治44)年創業の同店で、いま一番の売れ筋のかぶと飾りは、実際のかぶと比で「5分の1」のサイズだ。
従来の主流は「2分の1」だった。飾り全体としての横の幅(間口)をみると、いままでは100センチが当たり前だったが、今季の商品の7~8割を30センチ前後以下のものが占める。奥行きも40センチほどにとどめたものが多い。5分の1サイズは8万5千~16万円で展開している。
店長の宮本直人さん(34)によると、変化が起きたのはこの10年ほど。小さなサイズの製品を求める顧客が徐々に増え、それに応えた商品作りを重ねてきた。
「見栄えやかっこよさを重視するなら『大きいものを』というのが常識だった。最近は間口が20~30センチでも『大きい』という声が聞かれるぐらい。10年でこんなに変わるのかと驚いています」
さらに新たな提案も
背景にあるとみるのが住宅事…